放電加工という加工方法をご存知ですか。
金属材料を加工する方法の1つであるため、精密部品加工について調べたことがある方はご存知の方も多いのではないでしょうか。
しかし、内容を細かく理解していない方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、放電加工について紹介します。
放電加工とは
放電加工とは、電極を工作物に近づけて放電させ、そこで発生する火花によって工作物を少しずつ溶かして加工する方法を指します。
電極が工作物に触れることはなく、加工液の中で一連の作業が行われます。
そのため、高硬度材に対して複雑形状の加工が可能です。
最近では、微細な穴加工やスリット加工にも用いられることが増えました。
メリットをいくつか確認しましょう。
メリット1:難削材の加工ができる
インコネルやハステロイなどの耐熱合金や、粉末ハイスやダイス鋼などの高硬度材といった難削材にも、穴を開けたり溝を掘ったりできます。
これは、放電加工が非接触加工だからです。
通常の切削加工では難削材の加工は難しいため、大きなメリットでしょう。
メリット2:バリがでない
製品の中には、わずかなバリでさえ認められないものがありますよね。
しかし、放電加工で行うとバリが発生する心配がほとんどありません。
また、上記以外にも、微細加工が可能なことやワークへの負荷が低いことがメリットとして挙げられます。
ただし、デメリットもあるため注意しましょう。
デメリット1:加工速度が遅い
大きなデメリットとしては、切削加工と比較すると加工速度が遅いことが挙げられます。
放電加工では、加工物を少しずつ融解させながら加工するため、速度が遅くなります。
そのため、大量生産する場合には向いてないでしょう。
デメリット2:導電性が必要
また、導電性のない材料の加工はできないこともデメリットとして挙げられます。
そのため、導電性がない素材を扱う場合には十分に注意しましょう。
応用事例について
続いては、放電加工の応用事例について紹介します。
まず、超硬材料や焼き入れ鋼などに対して追加加工をする事例があります。
導電性があればどんなに硬い材料であっても加工できるため、追加で加工が必要な場合は放電加工を利用すると良いでしょう。
また、多くの同じ形状の凹凸加工が必要な場合の加工事例もあります。
電極を造ってしまえば、その電極が消耗するまで同じ形状の加工ができます。
そのため、同じ形状のものを生産したい場合、放電加工が向いているでしょう。
まとめ
今回は、放電加工について紹介しました。
放電加工では、切削加工では行えない硬材料の加工が行えたり、バリを生じることなく加工できたりします。
広島部品加工 調達サポート窓口では、広島県だけでなく西日本全域で部品加工を承っております。
放電加工にお困りの際は、ぜひご利用ください